連続バンド小説 「俺はまだ速弾きができない」 第6話2018/04/16 『"BEGIN" ~ 再生』 ヨーコちゃんは救急車で運ばれた。 ルームメイトからの逐一の安否報告に、俺達は感謝と惑いを繰り返しながら祈りを捧げた。 ほうじゅはワンカップを片手に震えていて使い物にならなかったし、俺は賛美歌を唱えた。……
連続バンド小説 「俺はまだ速弾きができない」 第5話2017/10/30 『テレパス』 3年振りにつぐものをやる。それは実に自然なことだった。 申し入れを受けたほうじゅは、また面倒事が始まった、というような顔をしていた。 そして苦難のメンバー探しの再来である。 しかしそれなりに活動していたので、そ……
連続バンド小説 「俺はまだ速弾きができない」 第4話2017/09/22 『さよなら高円寺』 記録に示された先人達のバンドの在り方とは違ったかもしれないけど、俺達は少なくとも満ち足りた時を過ごした。 遅い青春と言って差し支えなかった。 しかし終わりを告げる必要があった。 俺はメインバンドではリーダ……
連続バンド小説 「俺はまだ速弾きができない」 第3話2017/09/20 『Band of the Night』 俺達はアルタ近くのカフェに同伴した。 武田(以降タケ)と名乗る男は終始笑顔で、俺は薄気味悪さを感じながら、METALLICAやシャコタン☆ブギの話をしたように思う。 偶然にも同学年だったこと……
連続バンド小説 「俺はまだ速弾きができない」 第2話2017/08/26 『Don't be afraid of mistake』 初志から2年が経過していた。 初ライブは、東高円寺LOS ANGELSとなった。 東高円寺なのにLOS ANGELSとはこれいかに、等と思う余裕も無かった。 人前で芸……