連続バンド小説 「俺はまだ速弾きができない」 第9話2018/09/06 『俺は貴族』 そもそもヨーコ。先生というキーボーディストがいたし、鍵盤を増やす必要は無かった。 前様(バンド内通称 ※本名が「前田」より)を初めて見たのは対バンしたときで、「王様と下僕」というヘヴィメタルバンドで彼は「下僕5号」と言……
連続バンド小説 「俺はまだ速弾きができない」 第8話2018/08/11 『NYは今日も雨』 2012/01 俺達はバンド運営に完全に行き詰っていて、憔悴していた。 時点で顧客に対して、最高のサービスを提供できているかと言うと、答えは"No"だったからである。 今思うと、当時のバンドの問題は演……
連続バンド小説 「俺はまだ速弾きができない」 第7話2018/05/28 『その男、角刈りにつき』 2006年に一度つぐものを解散した後、俺はタケと一緒に新しいバンドを立ち上げた。 真面目なメタルバンドをやろうというのがスローガンだったが、別に"つぐもの"を真面目にやってなかったわけではなく、元ヤンが見た……
連続バンド小説 「俺はまだ速弾きができない」 第6話2018/04/16 『"BEGIN" ~ 再生』 ヨーコちゃんは救急車で運ばれた。 ルームメイトからの逐一の安否報告に、俺達は感謝と惑いを繰り返しながら祈りを捧げた。 ほうじゅはワンカップを片手に震えていて使い物にならなかったし、俺は賛美歌を唱えた。……
連続バンド小説 「俺はまだ速弾きができない」 第5話2017/10/30 『テレパス』 3年振りにつぐものをやる。それは実に自然なことだった。 申し入れを受けたほうじゅは、また面倒事が始まった、というような顔をしていた。 そして苦難のメンバー探しの再来である。 しかしそれなりに活動していたので、そ……